ワンコの口から入った食べ物は胃で細かくされ小腸に送られます。
小腸は大腸につながる消化器官。
食べた物の栄養分を身体の中に取り入れる大切な器官です。
さらに、小腸は粘膜免疫の中心でもあります。
ここが狂うといろいろな病気にかかりやすくなってしまうため腸内細菌のバランスを整えて病気にかかりにくい身体をつくりましょう。
腸内細菌
腸の消化吸収や免疫機能の維持に大切な腸内細菌。
善玉菌が増えやすい腸内環境にすると消化吸収しやすい身体になり、免疫機能も正常に働きます。
善玉菌が多ければいいという訳でもありません。
善玉菌と悪玉菌のバランスが大事です。
腸内細菌は母犬からもらって生まれてきますので、母犬のお腹が弱いと子犬のお腹も弱くなります。
食べる物や薬によっても腸内細菌は変わっていくため、毎日の食事などで乳酸菌などを摂り続ける必要があります。
乳酸菌
乳酸菌にはたくさんの種類があります。
ヨーグルトやチーズなどの乳製品にある動物性乳酸菌と漬物などの発酵食品にある植物性乳酸菌があり、どの乳酸菌が合うかは個体によって違います。
テレビCMでおなじみの「生きたまま腸まで届く」乳酸菌というフレーズ。
本当に生きたまま届かないと効果はないのでしょうか。
犬の胃酸はpH1~2と強酸のため乳酸菌はすぐに死んでしまいますが、死んだ乳酸菌も腸内にある他の善玉菌のエサになります。
摂り続けることが大切です。
乳酸菌の中でヤクルトに入っているラクトバチルス・カゼイ・シロタ株は酸に強く他の乳酸菌より生きたまま腸内に届きやすいです。
R-1ヨーグルトのラクトバチルス・ブルガリスク・1073R-1株。
LG-21ヨーグルトのラクトバチルス・ガセリ・OLL2716株。
ブルガリアヨーグルトのラクトバチルス・ブルガリスク ブルガリア菌など他にもたくさんの種類のヨーグルトがあります。
犬はビフィズス菌よりラクトバチルス桿菌といわれていますのでラクトバチルス桿菌のヨーグルトをいろいろ試してみるとよいでしょう。
私が研究を始めた当初(1950年代)は、ビフィズス菌は赤ちゃんの腸内にしか生息していないと思われていたのですが、その後の研究で、大人の腸内でもたくさん生息することがわかってきました。これに対して、他の動物の腸内に多数生息している乳酸菌は、ビフィズス菌ではなく、ラクトバチルス(乳酸桿菌)という菌です。
同じ乳酸菌でも、種類がまったく違うんです。ですから私は、ヒトを「ビフィズス菌動物」、ほかの動物を「ラクトバチルス動物」とも呼んでいます。
乳酸菌はそれぞれ特徴や役割が違うので愛犬に合う乳酸菌をみつけるにはいろいろな種類の乳酸菌を試すしか方法はありません。
そして摂取量も個体によって違います。
このくらい・・・はそれぞれ違いますので、小さじ1杯程度を食事と一緒に摂るところから始めて愛犬のうんちの状態を観察しながら微調整していきます。
うんちがつかめる程度に柔らかく、臭いがほとんどしないか無臭、ツヤ・テリがあるうんちが理想です。
たくさん食べれば善玉菌がたくさん増えるわけではありません。
お腹がキュルキュルなったり、ゲップやオナラをしていたら与えすぎです。
水分補給をかねて水で薄めて飲ませるといいですよ。
発酵食品
日本には多くの発酵食品があります。
納豆の納豆菌。
味噌のこうじ菌。
漬物、ぬか漬けの乳酸菌。
甘酒のこうじ菌。
他にもありますが、発酵食品は生きた菌です。
これらの菌も上手に取り入れると腸内細菌の善玉菌が増えバランスが良くなり、免疫機能も向上します。
こちらも与える量はそれぞれ違いますので、ほんの少しをごはんと一緒に・・・から始めて様子をみます。
水溶性の食物繊維とオリゴ糖
腸内細菌は水溶性食物繊維が大好き。
ゴボウやニンジン、なめこやえのき、ブロッコリーや春菊、キャベツなどの野菜や海藻を一緒に食べると善玉菌が増えやすくなります。
また、オリゴ糖を多く含む野菜ごぼう・アスパラガス・大豆も一緒にとると善玉菌が増えやすい腸内環境になります。
乳酸菌はどれくらい食べればいいの?
善玉菌を増やすために食べる量は個体によって違います。
持って生まれた菌の種類や数も違いますし、今のお腹の状態がどうなっているのかを見ることはできません。
適量は愛犬をよく観察して飼い主が見つけなければなりません。
初めて食べる時は小さじ1杯程度から。
小型犬、超小型犬ならもっと少しの量から始めてみて時間をかけて愛犬の適量をみつけるしかありません。
株式会社H&J という会社の動物用乳酸菌 エイチアンドジン プレミアムです。
EF-2001乳酸菌(死菌)が配合されたもので1包1gの中に2000億個のEF-2001乳酸菌を配合。
原材料がEF-2001乳酸球菌とフラクトオリゴ糖、水溶性食物繊維なので効率よく乳酸菌を摂ることができる商品です。
一日の摂取量が5Kgまでが1包、15Kg以上20Kgまでは4包が目安のため良質な乳酸菌ですがコストがかかります。
ビオフェルミンには役割のちがう3種類の乳酸菌を配合。
フェーカリス菌・アシドフィルス菌・ビフィズス菌の3種類です。
ビオフェルミンは飲みやすく使いやすいためオススメです。
多くのブリーダーのオススメ商品でもあります。
錠剤と顆粒タイプがあります。
2㎏以下の極小犬は少量でも使える顆粒タイプをおすすめします。
まとめ
【乳酸菌の摂り方】
乳酸菌は定着しにくいので毎日とる
個体によって合う乳酸菌が違うためいろいろ試して合うものをみつける
善玉菌を増やす野菜などと一緒にとる
オリゴ糖をとる
継続することが大切
【愛犬を観察しよう】
うんちはつかめる程度のやわらかさでツヤがあるか
うんちの臭いはほとんどないか
オナラやゲップ、お腹がキュルキュル鳴っていないか